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続レオン物語(闘病記)

家出?から戻り暫くは平穏に暮らしていたレオンですが3ヶ月後、2022年の暮れ、食欲が無くなりました。

以前、腎不全を患った時、家庭内ノラのレオンを追いかけ回して捕まえるのが大変だったので、ストレスにもなるし、次に体調崩した時は苦しんだり、痛みがなければ、何もせず見守ろう
と決めていました。

しかし、何もしない
という選択は案外難しいのです。
食欲不振の原因だけでも知りたいと病院の開いているギリギリ30日に掛かり付け医に飛び込みました。

その日はたまたま空いていたキャリーに自分から入っていたので連れて行けたのです。
毎回、レオンを捕まえるのは実に大変でした。捕まえようと考えただけで緊張してしまいます。

 

結果は予想どおり腎不全でした。
AIDSキャリアのせいか元々貧血はありましたが、その数値も横ばいでした。

過去の事例からここまで悪いともう回復は望めないと覚悟を決めました。腎不全の猫への自宅補液は年中行事のようにこれまで何度もやってきました。

素直に捕まる子なら良いけど、レオンの場合は必死に逃げるので夫と二人で挟み撃ちにしても毎回かなりの労力がいります。追いかけまわして怖い思いをさせ、補液をしたところでいくらか寿命が延びるだけでしょう。
やはり、このまま見送ろうと決めました。

しかしやはり、何もしないのは苦しいのです。
脱水のため顔付きがどんどん険しくなってきました。それでも運動機能は衰えず、食器棚の上にヒョイと飛び乗って上がります。

この様子では身体が衰弱し、寿命がつきるまではかなりの時間を要すると思われました。それまで、何もせずじっとみているのは相当な苦行です。

「追いかけ回されるのはイヤだろうけど、あなたもその位は我慢しなさいよ!こっちだって黙って見ているのは辛いのよ!」
とばかりに2023年1月4日ついに自宅補液を開始しました。

一日一回120mlです。

レオンは間も無く補液を受け入れました。
部屋の中を逃げ回っても二人の人間に挟み撃ちにされると逃げ切れないと諦めたようです。

処置そのものもじっとしていれば1~2分で終わり、その後一寸身体が重くなる程度です。

寒い季節、暫くは室内だけで過ごしました。

部屋の中では何とか観念してくれましたが、問題は庭に出てしまった場合です。

四方をフェンスで囲ってあり、庭からは出られない構造になっているとはいえ、テラスの屋根に登ったり、縁の下に潜ったり、逃げ場はたくさんあるので、そこで捕まえるのはまず絶望的です。

と言って、治療のために行動制限をかけることにもためらいがありました。
レオンは外が大好きです。余命短いのであればなおさら好きにさせてあげたい
という気持ちになります。
気候の良い季節にはなおのこと。
それからレオンと私たちの駆け引きが始まりました。

リビングから庭へ出る扉を一方通行にして、一定時刻を過ぎると中には入れるが、外には出られない仕掛けにしました。いつも両通行なのが突然一方通行になるので混乱していました。

不信感満載の表情で庭から家の中を伺うレオン。
しかし、お腹も空くので入らないわけにもいきません。

頭の良いレオンは補液は1人では出来ないと分かっているので、2人がリビングにいる時は入ってきません。わざと1人が姿を隠して油断させたり神経戦が続きます。

作戦が失敗すると責任の擦り合いによる夫婦喧嘩が勃発しました。
梅雨が過ぎると夏がやってきました。
昨年の夏はひときわ暑く、長い季節となりました。
7月中旬、何日か家を空けることがあり、それを機にレオンは完全室内飼いになりました。
食事量も少なくなり、以前好きだった物にもそっぽを向くようになり、カロリー不足は明らかでした。
8月、足りない栄養を補うため流動食の強制給餌を始めました。
給餌は猫が強く抵抗した場合はできません。無理やり入れても身体が拒否すると吐きます。
しかし、補液の時と同様レオンはそれを受け入れました。
数種類のペースト~液体のパウチ或いはa/d缶を混ぜ合わせて注射器に詰め、50~60ccを1日一回給餌します。
喜びはしませんが、抵抗するわけでもなく、補液の後の日課になりました。あとは好みのドライフードを少量ポリポリ食べています。
頑張ったご褒美に補液と給餌のあとは抱っこして庭にでます。
ほんの5分位だけど、外の風にあて、鳥の声を聞かせます。

あとは部屋の中で殆んど寝て過ごします。活発に動く事はないけれど、爪を研いだり、他の猫たちと挨拶をかわしたり、マイペースで飄々と生活しています。

一時は上れなくなっていた食器棚の上にも飛び乗ります。
たまに外を思い出すのか、可愛い声で訴えるように啼く事もあります。

治療を始めて1年以上経ちました。
今まで腎不全になった子はたくさんいますが、これ程長い間持ちこたえた猫はいません。

検査データも決して良いわけではありません。治療も毎日の補液だけで大したこともしていません。
ただただ、レオンの生命力の故だと思います。

食べない割にはずっと3.5~3.7を維持していた体重が最近減ってきて、昨日測ったら3.3kgでした。
少しずつ別れの時が近づいているのかもしれません。その日まで穏やかに、出来るだけ苦痛が少なく過ごせますように…
と願っています。
検査データ
一年の間にした血液検査は6回です。
クレアチニンは初めの8.6よりは下がったものの4~5.7(正常値0.8~2.4)BUNは60~70台(正常値16~36)貧血の指標であるヘマトクリット値(正常値30・3~52・3)に至っては20と下限の2/3かそれ以下でした。最もレオンの場合ヘマトクリットは保護当時から低く21・4でした。

レオンの状態だと唯一の治療である補液を切る事は出来ないでしょう。人間に例えれば透析のようなものでしょうか?

減らす事も無理な数値です。と言って増やしたら貧血が悪化しました。検査結果の如何によらず、やることは変わりません。

貧血に対しては以前造血ホルモンの注射を規定の回数試したのですが、全く効果がありませんでした。鉄剤も試したのですが、イヤがる割に効果が不明なので止めました。

先の見えない将来のことより、今日一日心地よく過ごせる事を大事にしました。

状態が悪くなった時、クレアチニンの数値より感染の指標となる白血球の上昇が原因の時があったので、コンベニアを数ヶ月続けました。

主治医がこちらの状況に理解を示してくれているので、とても助かります

治療
腎不全は猫にとっては最も普遍的な病気とみえて、治療薬や療法食と共に豊富なサプリメントがあります。
写真に載っているのは、愛猫を見送った里親さんや会場で頂いた物です。
こんなに沢山の種類があるのかと驚きます。
頂いた製品は有り難く使わせてもらいますが、その後新に購入することはありません。
たくさんいるので経済的にも、一匹の猫にしてやれることは限られるのです。

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