6月末にやってきた4匹の子猫たちのその後です。
男の子はロイとかぶ、女の子はベルとベラと名付けました。
一番身体の大きなロイは人に対してフレンドリーでした。
女の子2匹は慎重派、一番小さい男の子かぶは実はやってきて3日目にケージから逃走した本人(猫)です。
子猫を手懐けるにはスキンシップが一番ですが、かぶは威嚇しながら、触らせまいとケージの中を縦横無尽に逃げ回ります。
そして開けた扉から、肩越しにまたもや飛び出してしまいました。
あの日の苦労も水の泡、再び振り出しに戻ってしまいました。
タイミング良く捕まえられたこともありましたが、とてもすばしっこくてケージの扉を開けた隙に飛び出すのです。
ご飯やトイレ掃除など、毎日の世話をするためには扉を開けない訳にはいきません。
逃げ方を覚えてしまった子猫は手に負えません。
追いかけ廻して捕まえたとしても、同じ事を繰り返し、事態が好転するとも思えず、途方にくれました。
人馴れてしているのでケージから出てフリーにしている子猫たちとも仲良くしようとせず、頑なな表情でポツンといることが多く、体重も増えていない様子です。
健康管理も出来ず、不安でした。
ヤキモキしながら、何も出来ない状況が1ヶ月程続きましたが
転機がやってきました。
7月下旬、所用で3~4日家を空け、その間の世話を夫に頼みました。
帰ってみると、かぶが衰弱していました。
夫は何も気づいていません。
仕方ありません。
こちらもそこまで期待しないし、気付いたとしても何も出来ないでしょう。
家を離れたら、極力猫の事は忘れるようにしています。
見るからに具合悪そうで、また逃げるのでは?とドキドキしながら、ヒョイと持ち上げて見ると、驚く程の軽さです。後に測ってみると800gでした。
同じ頃ロイは2kgだったので、半分以下です。
もっと驚いたのはゴロゴロ言っているのです。
いつも険しい表情で私を拒み、少しでも距離を縮めようとすると、あっという間に逃げていたかぶが、まさに「降参です。どうにでもしてください。」とでもいうように無抵抗です。
ひどいい脱水状態でした。
そのまま、小ケージに入れてリビングに移し、応急処置としてブドウ糖を飲ませ、補液をしました。
多少の波はありましたが、この出来事をきっかけにかぶは馴れました。
劇的に❗飛躍的に❗ビックリする程❗馴れました。
いまではケージの外でも難なく捕まります。
体重も少しずつ増えて1.7kgになりました。
何が幸いするか分かりませんね⁉️
体調を崩す事がなければ、かぶはいまでも「孤高の子猫?」だったのでしょうか?
これまでの経験から、ノラだった子が人馴れする猫になるかどうかは、環境や接し方にもよりますが、最も大きな要因は、生まれつき持っている性質だと感じます。
かぶも元々はロイと同じように馴れる性質をもっていたのかもしれません。
それが、来て3日目に飛び出してしまうという、不幸な体験をさせてしまったために事態を悪化させ、随分と回り道をさせてしまったようです。
ごめんね❗かぶ。
ベルとベラ
2匹の女の子は男の子たちに比べると警戒心強めです。
日中はフリーで過ごしていますが、なかなかリラックスした写真が撮れません。
全くのフリーにしてしまうとかぶの二の舞になるので、夜はケージで過ごして貰っています。
幸い、缶詰めで簡単にケージに誘導できます。翌朝は出して貰える事をちゃんと学習しているのです。
ケージから出る時は抱っこタイムをもうけています。
最近はゴロゴロいうようになってきました。
小さい頃に人の手触りや心地よさを体験すれば、きっとその記憶がいつかその子の財産になると信じて、毎日撫でてあげています。
大きな身体して三毛猫花ちゃんのおっぱいに吸い付く男の子2匹(だいすけとロイ) 写真上
勿論、おっぱいなんて出やしないし、
親でも子でもないんですけどね
たくさんの猫と暮らしていると時々思わぬ光景に出くわします。(●’◡’●)
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さて、現場では
子猫たちのお母さんは7月11日に遂に捕獲器に入ってくれました!!
翌日早速手術に連れて行き、無事終了し元の場所に放しました。3日位は姿を見せませんでしたが、その後はちょくちょくご飯を食べに来ているそうです。その地域には幾つか餌場があり、他にもご飯を貰って生きているノラさんがいそうです。
お母さんの姉妹のキジトラと母ネコのさびちゃは誰かの手で手術がされたようで、ある日突然耳カットされて現れたそうです。
手術や耳カットが周知されてきたのは良いことです。
餌やりさんの話だと子猫は初め6匹いたということでしたが、残りの2匹はその後姿を見せていません。
お母さんが場所を移し、2匹の子猫は他でご飯を貰っている可能性もありますが、私が保護した時点で子猫は4匹になっていたのかも知れません。
餌やりさんは車に潜って居るところをそのまま移動して、運ばれてしまったのではないか?
と言っています。
考えたくないけど、否定も出来ません。
2匹残っていたら、お母さんもそんなに子猫探して何日も鳴かないと思うんですよね。
とにかくこの現場はひとまずこれで終了です。
子猫全頭保護できればそれに越した事はありませんが、何頭か取りこぼしがあったり、親がどうしても捕まらなかったりと、当初の目的が一度に100%達成するのはなかなか難しいものです。
以前は保護できた安堵感より、助けられなかった子たちの事が気がかりで、気持ちが晴れませんでした。
でも歳をとり自分の力の限界を知るようになると、何もしないよりはましだった、出来なかった事を悔やむより出来た事を喜ぼう。この続きはどこかで誰かが引き継いでくれますように…
と考えるようになりました。