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6月, 2023:

子猫の幸せ🍀と母の涙

今年も子猫の季節がやってきました。

私たちはブリーダーではありませんから、子猫の出現は決して喜ばしい事ではありません。

毎年この時期には「今年は子猫見ないね。少なくなったね。やっと成果がでてきたね」と仲間と喜び合いたいと思ってきました。
そのために成猫の不妊、去勢手術は重要です

しかしどうしても捕獲器に入らない猫や、子猫が現れて初めて周囲の人が危機感を持つ場合もあります。

生まれてしまった子猫については、適切な里親さんを探して幸せになって貰いたいと願っています。

数をコントロールする事は、そこでしか生きられない猫たちの環境の悪化を食い止めることに繋がります。

しかしその為には、母猫から子猫を引き離すことは避けられません。

その時期が遅くなる程、子猫の人への馴化は遅れます。

生後2ヶ月位でももう立派なノラの子です。
動きは俊敏で、敵意を剥き出しにし「シャアシャア!バシッ!」と威嚇します。同じ兄妹でも個体差もあって、案外早く馴れる子もいれば、いつまでも警戒心を解いてくれない子もいます。
性差は関係ありません。

理想を言えば生後1ヶ月過ぎ、離乳期の頃に保護するのがベストです。

しかしそれは私たちの都合です。
母猫の気持ちになって考えてみると…

は妊娠すると大きなお腹を抱えて、安全に出産、子育て出来る場所を探し回ることでしょう。

生後1ヶ月過ぎ、母乳だけでは足らなくなると子猫たちのご飯をどこで手に入れようか?そこは安全か?
と頭を悩ませることになります。

複数の猫が同時に出産するシーズンには餌場の取り合いになることもあります。

一腹の子猫が首尾よく保護された後、待ち構えていたように他の猫(多くの場合、親や姉妹です)が自分の子猫を連れてくる
というのはよくある光景です。

信頼していた餌やりさんのところへ
「この子たちのご飯をお願い!」と紹介したとたん、子猫たちを奪われたらどんな気持ちがするでしょう

子猫の入った捕獲器の上に乗り、必死に助けだそうとしている母猫を見た事があります。

最近知人から驚くべき話を聞きました

餌やりをしていた猫が4匹の子猫を産んだので、里親さんを見つけようと3匹家に入れ2階の1部屋で世話をしていたそうです。しかし、そのうちの2匹は13日目に母猫によって奪い還されてしまいました。

そのやり方が凄いのです。
家の側の梅の木からベランダに移り、ベランダのない隣の部屋の網戸を開けて咥えて連れて行ってしまったそうです。

我が子がこれから幸せになるための善意の保護か?
それとも死んでも構わないという悪意の遺棄か?
母猫にとって、それは知るよしもないことです。

猫が捨てられるある場所には、どうしても野良が産んだとしか思えない子猫たちがまとめて捨てられていることがよくありました。

餌はやっても母猫の手術は出来ない、する気がない
或いは餌もやっていないのに勝手に物置で子猫を産んだ。このままではどんどん増える。取り敢えず捕まる子猫だけでも何処かに捨ててこよう
とでも考えたのでしょうか!?

言葉の通じない悲しさですが、親子を引き離す時は「安心してね。子猫は悪いようにはしないからね」
と伝えています。

そして手術の終わった母猫には「もう子育てに悩む事はないのよ。後はゆっくり過ごしてね」と今までの労をねぎらいます。

お母さんとの約束を果たす為にも、私たちは子猫に生涯の安心と幸せの場を提供する責任があります。

そしてお母さん猫に何度も悲しい子別れを体験させないために是非とも不妊手術をしてあげたいのですが、どうしても捕まらない猫は私たちの悩みの種です。

 

2匹の子猫の遊びを見守るお母さん
まだまだ気は許せません

 

こんな風に親子で保護することもあります。

 

 

手術すみのお母さんに甘える2ヶ月半の子猫

もうおっぱいは要らないんだけど、ときにはこんな時間も。
普段はおとなしいお母さんで3匹の子猫はゲージの外で遊んでいます。
しかし、一旦子猫が入ると外敵(私)に対して警戒モードとなり、威嚇を始めます。