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5月, 2023:

レオン物語り

私たちは主に、ノラを手術して増えるのをふせいだり、飼い主のいない猫を保護して、新しい飼い主を探す活動をしていますが、時には譲渡出来ないと分かっていても保護せざるを得ない場合があります。

レオン(年齢12~3才)もそうでした。
レオンは私の餌場に時々やってくる猫でした。

茶白の長毛でキレイなコでしたが、慣れていなかったので、2012年の1月去勢後放しました。1~2才の若いおすでした。

他に本命の餌場があるらしく、半年位姿が見えない時もありました。
でも、時々はまるで安否確認のように現れ、他のネコと一緒に何日かご飯を食べ、そしてまたどこかへ消えて行きました。

長い毛がだんだん汚れて毛玉ができましたが、ノラだから仕方ない、ご飯を食べている間は一寸触らせるけど、それ以上のことは出来ないので、あまりそんな姿は見たくないと、正直思いました。

ところが3年前の夏、まるでボロをまとったような姿で頻繁に現れるようになりました。

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正直、こんな姿は見たくなかったので、今回も早く本命の餌場に戻って欲しいと思いました。
しかし、どこにも行かず、毎回待っているのです。仕方なく保護を決意しました。

捕獲して、動物病院に連れて行き、麻酔をして毛を刈って貰い、血液検査もして貰いました。
AIDS陽性で、貧血もありました。
歯もかなりボロボロでしたが、麻酔の関係上、その日の抜歯は無理と判断され、抜けかかっている2本のみ抜き、あとは後日と言うことになりました。

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だんだん毛ものびて、家庭内ノラなりに家の中には慣れてきましたが、口内炎が悪化して抜歯したり、腎臓が悪くなって、点滴するために追いかけ回したり、大変な2年でした。

口内炎には永いこと悩ませられました。
時には、もう寿命かな?
と思ったレオンでしたが、夏頃には回復し、体重も増えてきました。

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そんなある日、突然姿を消しました。
と言っても、私の不注意なんですが、、、

我が家は庭をすっぽりフェンスで囲っていて、リビングのネコだけが出入りできる構造になっています。

ノラだったレオンはやはり外が好きで良く高い所に登っていました。

洗濯物を取り込んだ時に入り口の戸を閉め忘れたのです😣

幸い、他のネコは出ていません。
お婆さんばかりなので…

しかし、レオンは筋金入りのノラです。
このチャンスを見逃す筈はありません。

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それでも、私は余裕でした。
2年以上もいたのだから、きっと帰って来るとたかをくくっていました。

しかし、レオンは帰りません。
一週間、中のネコが出ないように細工して、入り口を開けっ放しにしましたが、全く姿を見せませんでした。
家の周りに置いた餌を食べていたのは他のネコでした。

その気になれば戻れる筈です。
2年居ても結局我が家だとは思ってもらえなかったようです。

考えてみれば、この2年間レオンにとっては受難続きでした。

2度も麻酔をかけられ、毛を刈られ、歯を抜かれ、追いかけ廻されては病院に連れていかれて血を抜かれ、注射され、家ではふたりがかりで、補液されました。
こちらは助けたい一心でもレオンにとっては、虐待以外のなにものでもなかった事でしょう。

レオンがいた畑は我が家から500メートル位しか離れていません。屋根の上からいつもそちらを見ていたような気がします。

レオンの身になって考えれば、帰りたくないのも分かるような気がしました。

こんな家、二度と戻るか❗あばよ❗

と意気揚々と出て行った姿が想像出来て、次第に諦めの心境になりました。

自分の意志で出て行ったので、探すつもりはありませんでした。
健康体だったのが、せめてもの救いでした。
10年もノラ生活をしていたのですから、生きる術は身につけている筈です。

看取りをしなくて良くなった
と、少しほっとしたのも事実です。
看取りはやはり辛いです。

元気で頑張れよ‼️

と、陰ながら応援する事にしました。

ところが…

すっかり諦めていた23日目

夜毎日家の前にご飯を食べにくる猫が一匹いるのですが…
その子のご飯を横取りしている猫がいます。
サッと隣の敷地に行きましたが、白っぽい足でした。
もしや?と思い
レオン?
と呼び掛けると
にゃ~!
と甘い声で返事をしました。
家の中では決して聞かれない声です。
その後は美味しいおやつで庭まで誘導し、フェンスの戸を閉めました。

ここまで来れば、もう大丈夫です。
私はゆっくり眠りました。
9月28日にあばよ❗
と出て行ったレオンは10月21日
ただいまぁ~❗
と、戻ってきました。

長毛なので分かりにくいのですが、かなり痩せてはいたものの、怪我もなく、風邪もひいている様子はありませんでした。

帰ってからは再び不機嫌なレオンに戻り、食器棚の上を定位置にして触られる事を拒んでいます。

元々触られる事はキライな猫のようですが、外にいた頃は注意を引くためににゃあ~
と愛想鳴きをし、食べてる間だけチョコっと触らせてくれました。
生きる知恵なんですね。

家に来てからはちやほやされる一方なので、まるで反抗期の息子のように無口です😰

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暫くは食べては寝るの生活でしたが、体力が回復した今では…

また旅に出たくなったのか?毎日、見張り台で私がまたヘマするのを期待して、見張っています。

それにしても、23日間一体どこに行っていたのでしょう
きっとご飯にありつけなかったんでしょうね。

充分に食べられる環境にあったなら、帰って来なかったかもしれません。

2022年11月 記

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若き日のレオン 2012年1月手術の時

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抜歯と二度目の毛刈り

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瞑想するミニライオン、レオン

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